SLOW SLOW LIFE

Vol.2

出雲に建てた朝日の入る家。
笑顔のあふれる理想の暮らし。

出雲市出身。音楽大学卒業後、劇団を立ち上げて各地の舞台に立ち、29歳で父が創業した有限会社アサヒ技研工業(出雲市枝大津町)へ入社。2024年3月に代表取締役社長に就任。2023年、出雲市内に自宅を新築。夫と3人の子どもと暮らしながら、自宅をモデルハウスとしてお客さんに案内している。

「『絶対ここがいいです』って、もう即決でした」。朝日山さんが2023年に自宅を建てた土地は、周りに建物がなく、出雲ドームと北山を一望できる場所でした。朝日が入る東向きの家、雨の日も子どもが走り回れるカバードポーチ、庭でのお弁当やバーベキュー。東京でも過ごした朝日山さんが、出雲で家を建て、子育てをして感じている「余裕」について伺いました。

家より先に土地。1年かけて出会った、全部が庭のような景色

庭の先には田んぼが広がる
庭の先には田んぼが広がる

家を建てようと決めたのは、いつ頃だったのでしょう。

いずれ自分の家族の家を持ちたい、というのはもともとあったんです。結婚して、1年くらいはアパートに住んでいました。まず1年、2人で暮らしてみて。お互いの価値観もいろいろあったので、大丈夫だったら家を建てようかと。そのお試し期間が無事に終わって(笑)、土地を探し始めました。

私は一人っ子で実家があるので、リフォームも考えたんですけど、お婿さんに来てもらっているので、私はいいけど、やっぱり気を使うだろうなと。2世帯というよりは、ある程度離れた、スープの冷めない距離で新築を建てた方がお互いにいいかなと思いました。あと、休みの日に会社が見えない距離に行きたい(笑)。そういう意味で、今の土地はちょうどよかったんです。

周りに建物の少ない開放的な場所
周りに建物の少ない開放的な場所

土地探しは、どのくらいかかりましたか?

1年くらいは、いろんなところを見ていました。小学校の校区で絞って、何カ所か見に行ったんですけど、同じ70坪でも、周りに建っている家がどれくらい近いかで、広さの感覚が全然変わるんですよね。お客さんにもよく言うんですけど、どんな家を建てたいかというより、いい土地が見つからないと、たぶん家を建てるという気持ちにならないんですよ。

ここは、うちの会社のお客さんが紹介してくださって。見に行ったら景色もすごくよくて、ご近所の方もいい感じの人たちだったので「絶対ここがいいです」って、もう即決でした。

どんな景色が見える場所なんですか?

周りに建物が本当になくて、少し高くなっているので、出雲ドームが見えて、北には北山がすごくきれいに見えます。視線を遮るものが何もなくて、全部自分の庭かというくらい。風通しもいいですし、本当に伸び伸びした場所なので、すごく気に入っています。

朝日が入る東向きの家。父娘でつくった「120点」の住まい

建築中の自宅。在来工法で、リビングは杉板張りに
建築中の自宅。在来工法で、リビングは杉板張りに

家そのものは、どんなふうに決めていったのでしょう。

自分たちの暮らしに合わせて、間取りや外観のイメージを私が好きなようにラフに描いて。父が建築士なので、ちょっと直してもらって、構造的に大丈夫かどうかを見てもらいました。それで建てさせてもらったので、すごく使い勝手もいいですし、納得のいく、いい家ができたなと思っています。今4年目ですけど、やっぱりよかったなとすごく思います。

イメージとしてはカリフォルニアの西海岸にあるような家、プラス、中はログハウスっぽい感じがいいなと。在来工法なのでログハウスではないんですけど、リビングは杉の板張りにしています。旦那さん希望のインナーガレージも入れて、お互いの要望をバランスよく。

梁を見せた天井とロフト
梁を見せた天井とロフト

こだわったところは?

自然を感じられる家にしたい、というのがあって。家の中にいても、日の光が入ってほしい。朝は明るい光で目覚めたいなというのがあったので、東向きにして、窓の位置も考えて、朝日が入る家にしました。玄関の上には天窓もつけています。寝室から廊下に出たときに、玄関が自然の光で明るい。アパートにはなかったことなので、気持ちいいですね。

それから、雨の日でもちょっと外で遊べるように、屋根付きのカバードポーチとウッドデッキ。家の端から端までデッキが続いているので、子どもがずっとそこで走っています。集まるのが好きなので、みんなを呼んでパーティーができるくらいの広さが欲しいなと思って、玄関とリビングは広めにしました。

玄関の上の天窓から光が入る
玄関の上の天窓から光が入る

点数をつけるとしたら?

120点くらいですね(笑)。「もうちょっとこうすればよかったな」はありますけど、住んでいるうちに自分でカスタムしたり、生活の変化に合わせて家も一緒に育てていく、そういう考え方が好きなので。大黒柱に子どもがめちゃくちゃ落書きをしているんですけど、それも味でいいか、と思っています。

キッチンとダイニング
キッチンとダイニング

庭でお弁当、雨の日はカバードポーチ。休みの日の過ごし方

家の端から端まで続く屋根付きのカバードポーチ。雨の日も外で遊べる
家の端から端まで続く屋根付きのカバードポーチ。雨の日も外で遊べる

アパートの頃と比べて、暮らしぶりは変わりましたか?

全然違いますね。家の中が広いので、それぞれがそれぞれの場所で好きなことをしていて、伸び伸び過ごせているなと思います。賃貸の頃は、どこか囲われているような感じがあったので。今は景色が開けていて、それがなんとなく気持ちいいんですよね。山に登ったり海に行ったりするのが気持ちいいのと同じで、それが日常の中にある。言葉にするのは難しいんですけど、その「なんとなく気持ちいい」が、すごく大事な気がします。

ロフトから見下ろしたリビング。ラグの上で遊ぶ
ロフトから見下ろしたリビング。ラグの上で遊ぶ

休みの日は、どんなふうに過ごしていますか?

庭で遊んだり、家の周りを散歩に出たり。夏は外で、プールを出したり、たまにバーベキューもしています。休みの日は庭でお弁当を食べたりしながら、楽しく家族で暮らせているというのが、すごく理想の形だなと思っています。

ご近所との関わりもあるそうですね。

町内会にも入っていて、散歩で歩いていると、近所のビニールハウスで作っておられる玉ねぎをもらったり、ぶどうをもらったり。子どもが「ぶどう、できた?」と聞くと「もうちょっとしたらできるけんね」と言ってくれて。実ったころに、帰り道にぶどうをもらって帰ってきたりしますね。庭から見える向こうの道を歩いている人に、子どもが大声で声をかけることもあったりして(笑)。田舎のいいところが詰まっているな、という感じはあります。

東京と出雲、どちらも暮らして。出雲で子育てをするということ

「お金じゃなくて、人だなと思う」。子育てを支えてくれる人が、周りにいる
「お金じゃなくて、人だなと思う」。子育てを支えてくれる人が、周りにいる

東京での暮らしも経験されています。いまの暮らしはどう見えますか?

東京にいたときは20代で、まだいろいろ挑戦したい気持ちが強く、安定は求めない時期だったので、それはそれでよかったと思うんです。でも30代になってくると、安心して帰れる場所というか、仕事があって、仲良しの家族がいて、というのが今はすごく幸せだなと思うので。その年代ごとに、自分に合った暮らしができているのかなと思います。

それと、東京にいたときは、時間を消費している感じがしたんですよ。情報量が多くて選択肢が多いから、判断するものも多くなって、知らず知らずのうちに疲れる。20代はそれが楽しかったけど、今行くとたぶんすごく疲れると思います。田舎というだけで、気持ちに余裕ができる。脳のキャパがちょっと空いてくるんじゃないかな、と思うんですよね。

出雲で子育てをする良さは、どこにあると思いますか?

子育てはしやすいと思います。ただ、私が出雲で暮らしていて、いい想い出もたくさんあるから、ひいき目に見ているのかもしれませんけど(笑)。客観的に見ても、災害が少なくて、気候も穏やかですし、いい場所だなと思います。

あと、実家があるのも大きいんですよね。東京だと年収がいくらあっても子ども1人でいっぱいいっぱい、みたいな話をよく聞きますけど、うちは母や旦那さんのお母さんが手伝いに来てくれるから、私も仕事に出られるんですよ。子育てに大事なのは、お金じゃなくて人だなと思います。地域ぐるみで子どもを見守るような土地柄なので、合う・合わないはあるかもしれません。でも、そのぶん、ほどよく支え合える、いい関係が築ける場所なんじゃないかなと思います。

東京にも、また行きたいなとは思いますよ。でも、子育てするならやっぱり出雲ですね。東京は旅行で十分です(笑)。

これから、どんなことをしていきたいですか?

私はこの家で、朝日を浴びて、庭で子どもたちが走り回って、休みの日は家族でお弁当を食べる。そういう暮らしをこれからも続けていきたいですね。

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